株式会社ビジネスインフォメーション アンド アドバイザー
浜野哲夫公認会計士事務所・税理士事務所 / 田中弘実税理士事務所
所属税理士 橘 創一 / 横井 司
会計・税務・
経営関連情報
コラム
国税庁は、法人税・所得税・相続税などの申告や実地調査の状況をホームページで公表しています。
申告件数や実地調査件数などが公表されているのですが、なかなか興味深いものになっています。
そのなかで今回は相続税の状況を見たいと思います。
■相続税の申告実績
【平成22年分】
①被相続人数(死亡者数) 1,197,012人
②相続税の申告書(相続税額あるもの)の提出に係る被相続人数 49,733人
③課税割合(②÷①) 4.2%
【平成21年分】
①被相続人数(死亡者数) 1,141,865人
②相続税の申告書(相続税額あるもの)の提出に係る被相続人数 46,438人
③課税割合(②÷①) 4.1%
【平成20年分】
①被相続人数(死亡者数) 1,142,407人
②相続税の申告書(相続税額あるもの)の提出に係る被相続人数 48,010人
③課税割合(②÷①) 4.2%
平成22年は1,197,012人の被相続人(死亡者)がいたのですが、このうち相続税の課税の課税対象となった被相続人は49,733人で、課税割合は4.2%となっております。
課税割合が4.2%とはずいぶんと低いですね。
相続税とは相続による財産の移転に着目した税目ですが、全ての相続について相続税が課税されるわけではありません。
被相続人の財産が基礎控除(5,000万円+1,000万円×法定相続人の数)以下であれば、課税されないのです。
このことから、課税割合が低いのは基礎控除が影響しているからだと考えられます。
また、被相続人の財産が基礎控除以下であることがほとんどであり、課税されるのは被相続人の財産が基礎控除を超えるようないわゆる富裕層などごく一部であるとも考えられます。
ちなみに、平成27年1月から基礎控除の引き下げ(3,000万円+600万円×法定相続人の数)が見込まれておりますが、課税割合については、大きくは変わらないと言われています。
■相続税の調査実績
【平成22事務年度(平成22年7月から平成23年6月までの間)】
①実地調査件数 13,668件
②非違件数 11,276件
③非違割合 82.5%(②÷①)
④実地調査1件当たりの申告漏れ課税価格 2,922万円
⑤実地調査1件当たりの追徴税額 583万円
【平成21事務年度(平成21年7月から平成22年6月までの間)】
①実地調査件数 13,863件
②非違件数 11,748件
③非違割合 84.7%(②÷①)
④実地調査1件当たりの申告漏れ課税価格 2,822万円
⑤実地調査1件当たりの追徴税額 618万円
【平成20事務年度(平成20年7月から平成21年6月までの間)】
①実地調査件数 14,110件
②非違件数 12,008件
③非違割合 85.1%(②÷①)
④実地調査1件当たりの申告漏れ課税価格 3,410万円
⑤実地調査1件当たりの追徴税額 775万円
平成22事務年度は、13,668件の実地調査が行われました。
実地調査の件数は13,668件で、このうち申告漏れ等の非違があった件数は11,276件で、非違割合は82.5%になっています。
非違割合が82.5%とはずいぶん高いですね。
実地調査については、国税局及び税務署で収集した資料情報を基に、申告額が過小であると想定されるものなどに対して実施されています。
非違割合が高いのは、あらかじめ当たりを付けてから実地調査を行っていることが影響しているのでしょう。
ちなみに、平成22事務年度の法人税の非違割合は72%、所得税は80%です。こちらも高い割合ですね。
■被相続人数、申告書提出数からみた調査実績
平成22事務年度は、平成20年中及び平成21年中に発生した相続を中心に実施したとなっています。
そこで、平成22事務年度の調査実績は、平成20年分と平成21年分の申告実績の平均値(被相続人、申告書を提出した被相続人数)と対応しているとみなして、見てみたいと思います。
【被相続人数(平均値)から見た場合】
①被相続人数(平成20年分と平成21年分の平均値) 1,142,136人
②実地調査件数(平成22事務年度) 13,668件
③実地調査割合 1.2%(②÷①)
④非違件数(平成22事務年度) 11,276件
⑤非違割合 1.0%(④÷①)
【相続税の申告書の提出に係る被相続人数(平均値)から見た場合】
①被相続人数(平成20年分と平成21年分の平均値) 47,224人
②実地調査件数(平成22事務年度) 13,668件
③実地調査割合 28.9%(②÷①)
④非違件数(平成22事務年度) 11,276件
⑤非違割合 23.9%(④÷①)
被相続人(平均値)1,142,136人に対して13,668件の実地調査、11,276件の非違件数があったとみなすと、1.2%の割合で調査があり、1.0%の割合で非違があったことになります。
実地調査割合も非違割合も1%程度とはずいぶんと低いですね。
被相続人数から見ますと、実地調査も、非違があることもほとんどないと考えられます。
これは課税割合が低いことが影響していると思います。
相続税の申告書の提出に係る被相続人数(平均値)47,224人に対して、上記と同様にみなすと、28.9%の割合で調査があり、23.9%の割合で非違があったことになります。
実地調査割合も非違割合も被相続人数の場合と比べますとずいぶんと高くなりましたね。
相続税の申告書の提出に係る被相続人であれば、4人に1人(25%)程度は、実地調査も非違もあったと考えられます。
以上、相続税額のある相続税の申告書を提出する相続があった場合には、高い割合で実地調査も非違もあると考えられますので、取得した相続財産の全てを使わずに、実地調査に備えておく必要があると思います。
なお、話を簡単にするため大雑把な箇所がございますが、ご了承下さい。
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