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並び数字による報酬・料金等の支払ができなくなる?

原稿料、講演料、モデル料など源泉所得税率が10%の報酬を個人へ支払う場合、支払金額を並び数字とすることにより手取り額に端数のない金額でお支払いする方法があります。

この度、復興特別所得税が創設されたことに伴い、平成25年からは報酬・料金等の支払金額を並び数字とすることにより手取り額に端数がでないようにすることは出来なくなりました。

以下、具体的に数字を用いて見てみましょう(所得税率が10%である報酬の場合です)。

平成24年12月31日までに生ずる所得に対する源泉徴収…復興特別所得税適用前の期間

支払金額111,111円-源泉徴収税額11,111円(111,111円×10%)=差引手取り額100,000円

※10%は、所得税率のことです。

このように支払金額を並び数字とした場合、手取り額は端数のない金額となります。

ちなみにこれを手取り額から割返す計算をしますと以下のようになります。

手取り額100,000円÷90%(1-10%)=支払金額111,111円

平成25年1月1日から平成49年12月31日までに生ずる所得に対する源泉徴収…復興特別所得税適用中の期間

支払金額111,111円-源泉徴収税額11,344円(111,111円×10.21%)=差引手取り額99,767円

※10.21%は、所得税率に復興特別所得税を加味した合算税率のことです。源泉徴収すべき復興特別所得税の額は、源泉徴収すべき所得税の額の2.1%相当額とされています。

このように支払金額を並び数字とした場合、復興特別所得税の影響で手取り額に端数が生じてしまいます。

また、復興特別所得税が適用される前と同様に100,000円を支払うと源泉所得税の徴収不足が発生します。

そこで、端数のない金額でお支払いする場合には、手取り額に復興特別所得税も加味した合算税率で割返す計算が必要となります。

手取り額100,000円÷89.79%(1-10.21%)=支払金額111,370円

ちなみに、支払金額から手取り額を計算すると以下の通りです。

支払金額111,370円-源泉徴収税額11,370円(111,370円×10.21%)=差引手取り額100,000円

これを頭の中で計算するのは難しそうですね...。

25年からも端数のない金額でお支払する場合は、お間違いのないように!

なお、復興特別所得税の概要については、「復興特別所得税の創設」をご覧下さい。