株式会社ビジネスインフォメーション アンド アドバイザー
浜野哲夫公認会計士事務所・税理士事務所 / 田中弘実税理士事務所
所属税理士 橘 創一 / 横井 司
会計・税務・
経営関連情報
コラム
~住民税は、一定の条件に該当すれば減免が可能~
個人住民税(以下、住民税)について、「失業中なのに住民税の納付書が届いた。この金額を本当に納めないといけないの?」「収入が無いのになぜ税金がかかるの?」といったご質問を受けることがあります。住民税は所得税と異なり、前年(1月1日~12月31日)の所得に対して課税されます。例えば、平成23年度の住民税は、平成22年(1月1日~12月31日)の所得に対して課税されます。では、なぜ前年の所得に対する課税なのでしょうか?
住民税は賦課課税方式という課税方法を採用しています。賦課課税方式とは、市役所に送付される課税資料(所得税の確定申告書・住民税の申告書・給与支払報告書など)をもとに税額を決定し、通知する方法です。この方法は税額決定までに一定期間を要します。このため、税額通知は、特別徴収対象者には会社を通じて5月下旬に、普通徴収対象者には6月上旬に個人宛てに、それぞれ行われます。平成23年度住民税は、平成22年1月1日~12月31日の所得に対する課税となるため、仮に平成23年に入って失業したとしても、一般的には住民税の納付が必要となります。
しかし、一定の条件に該当すれば住民税の減免を受けることができます。
※減免の制度は各市町村によって異なります。本コラムは神戸市の制度に基づいて記載しておりますので、ご注意ください
前年に比べて、本年の所得が半分以下に減少した場合には、その減少率に応じて住民税が減免されます。なお、この減免はその年の所得が確定してからの適用になるため、例えば今年度の住民税の減免申請ができるのは、翌年1月以降になります。
前年(1月~12月)の合計所得金額(※1)が400万円以下で、今年の普通所得(※2)の金額が前年の普通所得の半分以下に減少すると認められる人が減免の対象となります。ただし、控除対象配偶者や扶養家族のある人は、その配偶者控除額・扶養控除額をその人の合計所得金額から差し引いた金額を上記の合計所得金額の区分にあてはめて減免割合を判定します。
→控除額の一例(控除対象配偶者・一般扶養、各33万円)
(※1)合計所得金額とは、所得の種類(例:給与所得、配当所得、不動産所得等)にかかわらず、すべての所得を合計したものです。所得とは、収入から経費等を控除したものです。
(※2)普通所得の金額とは、総所得金額のうち譲渡所得及び一時所得に係る所得金額以外の金額をいいます。
減免の対象となる税額は、今年度の住民税(年税額)のうち、普通所得に対する所得割額に限ります。
(注)均等割額は、減免対象から除きます。
減少率とは、(前年の普通所得の金額-その年の普通所得の金額)を前年の普通所得の金額で割ったものです。
減免される住民税額は、「減免対象となる税額(①)×減少率(②)×0.5」です。
<例>前年(平成X2年1月~12月)中の普通所得金額が350万円、今年(平成X3年1月~12月)中の普通所得金額が140万円、今年度(平成X3年度)の住民税年税額のうち、普通所得に対する所得割額が60,000円(①)の場合の減免額計算は下記のとおりです。
雇用保険を受給している人は、住民税年税額のうち、雇用保険の所定給付日数に相当する期間分が減免されます。
前年(1~12月)中の合計所得金額が400万以下で、雇用保険受給資格者証の交付を受けている方は住民税の減免が受けられます。
「今年度(※住民税の年度は今年6月~翌年5月)の雇用保険の所定給付日数(※3)÷30日」により算出された月数に相当する税額(端数がある場合は切上げ(例:3.5月→4月))が減免の対象となります。ただし、失業・離職により減少する所得(給与所得等)に係る住民税額に限ります。
(※3)所定給付日数は、雇用保険受給者資格証により確認します。
減免を受けられる割合は、それぞれ下記のとおりです。
減免額は、減免対象税額(①)×減免割合(②)で計算します。
<例>前年(平成X2年1月~12月)中の合計所得金額240万(扶養親族1名)、今年度(平成X3年度)住民税120,000円(全て給与所得等にかかる税額)、今年(平成X3年5月31日退職で、雇用保険の所定給付日数が90日の場合の減免額計算は下記のとおりです。
上記1と2の減免は重複して受けることができません。
これらは本人の申請により適用される制度です。制度の詳細はお住まいの市区町村にお問い合わせください。
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